※この記事は、私が南米を旅行した2015年2月末~3月頭当時の情報です。現在と異なる状況がありますのでご容赦下さい(但し、埋め込んでいる地図は2022年10月現在のgoogle mapです)※
※また、残っている写真と記憶を頼りに書いているため細部は間違っていることもあるかと思います。併せてご容赦下さい※
☆この記事は「読み物」としてお楽しみください☆
今回はこの旅の第2の目的地、マチュピチュを訪れた一日を描いています。前日のスタンドバイミーロードの疲れも久しぶりのベッドで完全回復し、念願のマチュピチュを全身で堪能します。感動のマチュピチュ編をお楽しみください。
目次
- 前のお話はこちら:南米旅行回想記⑥~いざマチュピチュへ!スタンドバイミーロード爆走編~
- マチュピチュ遺跡へ向けて出発
- 遺跡入り口にて
- 目の前に広がる絶景
- 精巧に積まれた石の数々とアルパカ
- ワイナピチュ入山
- グランカベマへ
- ゲートへ向けてスリルは加速する
- インカ橋
- 下山
- ペルーレイルに乗ってクスコへ
- クスコ到着
- ペルー砂漠のオアシス・イカへ
マチュピチュ遺跡へ向けて出発
午前4時半。
久しぶりのベッドで快眠できた私たちは、すっきりした気分で未だ陽の昇らない早朝から行動を開始していた。マチュピチュ遺跡を朝一番から楽しむためである。チェックアウトの手続きをし、フロントに大きなバックパックを預けた私たちはマチュピチュ遺跡へと向かうバスのチケット売り場へと急ぐ。
午前5時半頃。
チケット売り場は早朝だというのに観光客で混雑している。なんとかチケットを購入した私たちは満員のバスに乗り込み遺跡へと向かう。
遺跡入り口にて
午前6時頃。
バスに揺られること30分弱で遺跡入り口に到着した。村から遺跡までの道のりは、幾重ものつづら折りの坂道となっておりいろは坂を連想させた。徒歩で遺跡へ向かっている観光客も多数いたが、バスを選択しておいて正解だったと、後で思い知ることになる。
遺跡入り口では入場券を確認されるため、既に観光客で長蛇の列ができている。恐らく早朝でなければ列はもっと長くなっているのだろう。
目の前に広がる絶景
遺跡の入り口を通り過ぎると、そこには想像を超える絶景が広がっていた…!目の間に広がる遺跡を見て、私は息を吞んだ。「息を呑む」という表現を目にすることは良くあるが、体現することはあまりない。しかしこの時ばかりは文字通り息を呑んだのだ。それだけ素晴らしかった。
遺跡の公開開始時間とほぼ同時に入場できたため、多くの場所で人のいない静かな遺跡を堪能することができ、写真撮影することができた。わずかに薄い雲をまとった遺跡もまた幻想的だ。
ここからしばらく、私たちは遺跡の中を巡る。とにかく高低差が激しい。傾斜も厳しいので、降りるのも昇るのも一苦労だ。良くもまぁ古代の人々はここに遺跡を作ろうと思ったものだ。そしてよくやり遂げたものだとしみじみ感じた。
精巧に積まれた石とアルパカ
遺跡の中を歩を進めていくと、次第に対象様々な石が精巧に積まれたエリアに来た。神殿跡という説があるようだが詳細は不明である。巨石が組まれているのだが、隙間が全くと言っていいほど無い。カミソリの刃も通らないという。小さな石を精巧に組む技術も素晴らしいが、人力では持ち得ない巨石をこのように精密に組むことができた事に感心しきりだ。
遺跡の中心部を抜け、更に奥に進んでいく。このマチュピチュ遺跡を俯瞰で見るためにはワイナピチュという隣の山に登らねばならない。この山は当時先着順で入場制限がかかっていたが、私達はそれに間に合うように動いていた。ワイナピチュへの入場ゲートに向かっていくと、開けた場所に可愛らしいアルパカが現れた。小屋の中に居はするが、特に繋がれているわけでもない。観光客慣れしているのだろう、非常に人懐こい。ただ、私たちは前日の昼にスタンドバイミーロード爆走前の腹ごしらえにアルパカのステーキを食べていたので、なんとなく複雑な心境だ。
ワイナピチュ入山
午前7時頃。
入山ゲートに到着すると、既に到着した人々がいた。このワイナピチュは、一日に400人までと入場制限がある。200人ずつ2部制で、7-8時入場組と10-11時入場組に分かれる。私たちは例によって時間に余裕がない。この日中にクスコに戻らなければならず、帰りの列車の時刻も決まっているため前半入場を目論んでいたのだ。私達は無事に入場できそうである。ちなみにワイナピチュはゲートを抜けると程なくして分かれ道に至る。看板にも解説してあるのだが、体力に自信ない人向けに短いコース(ウチュピチュコース:45分目安)とガチンコのワイナピチュコースとがある。更にワイナピチュコースは、ワイナピチュ往復コース(2時間目安)と大回りのグランカベマコース(4時間目安)がある。時間制限のある私達だが、ここは妥協しない。迷わずグランカベマコースを選択し、前日のスタンドバイミーよろしく目安時間を上回ろうという算段だ。
分岐点を越え、一部岩を切り出した階段を登っていくと視界が開け、登りから一転下り坂となる。下り坂の先に目を向ける。下り坂は一時的ですぐに登りに転じるのだが、登るべき相手の全景がここで見える。なかなかに手ごわそうだ。ちなみに、山道にはワイヤーの手すりがあるエリアもあるが決して安全ではない。谷側はすぐに切り立った崖になっている部分が多く、事実年に数には滑落事故が起こっているという。そんなわけで、目安時間の短縮は目指すが安全には十分に気を付けて登山を続けていく。
階段は場所によってはそこそこの幅があり、傾斜も緩やかだ。しかし、総じて狭くて急である。登っていくと、崖にへばりつくように遺跡も出現する。遺跡を縫うように更に階段を登っていく。
途中見晴らしの良いスリリングな場所での休憩をはさみつつ、頂上を目指す。その過程で、ご覧のような激狭空間を通り抜けるエリアもある。閉所恐怖症にはつらいエリアだろう。それとサイズの大きい人にも。実際に私の後に通ろうとした外国人の恰幅の良い女性はかなり苦労していた。
午前8時15分頃
そして頂上に到着。頂上は狭く、しかしたくさんの人がいた。マチュピチュ遺跡を俯瞰して見ることのできるスポットを確保したが、雲がかかってなかなか見えない。しかし30分程待つと、少し雲が晴れてきた。先ほどまでいたマチュピチュ遺跡が眼下に見える。一人感動を噛みしめること数分。後方から何か必死に訴える青年がいる。どうやら高所恐怖症のようだ。同行者に騙された(?)のか一緒にきては見たが、怖くてにっちもさっちもいかなくなってしまったらしい。言葉は分からないが必死な表情とジェスチャーからなんだか手に取るようにわかる。結局彼は壁にびったりくっついてすり足で帰路へと消えていった。
グランカベマへ
午前9時頃
マチュピチュ遺跡を俯瞰で見ることができた私たちは、ワイナピチュ大回りのグランカベマへと向かう。たくさんの観光客がワイナピチュに入山していたが、グランカベマ方面へと歩を進める人はごくわずかだ。狭い山道なので追い越したりは気を使うため、人が少ない方が好都合である。人が少ないからなのかこれまでのコースよりも心なしか整備も雑な感じがしてとてもスリリングである。
午前9時50分頃
グランカベマの遺跡に到着。私たち以外人がいない。とても静かで荘厳な空気を感じる。巨石で出来た空間を利用し、そこに切り出した石を積んで作った部屋がある。目の前に石を敷き区画整備され段々になった広場がある。ここで人々が生活を営んでいたかと思うとなんだかグッとくるものがある。
ゲートへ向けてスリルは加速する
グランカベマの遺跡を後にして、ゲートへと向かい一路山道を進む。道は今までよりも更にスリル満載となっていく。道はところどころ濡れている場所もあり、気を付けなければ滑って足を取られる場合もある。毎年滑落事故が起こるのも無理もない気がする。よくこんな険しい山奥に遺跡を作ったものだと感心しつつ、高所恐怖症の同行者Yを励ましながら進む。
インカ橋
午前11時過ぎ
私たちはワイナピチュ入山ゲートに戻ってきた。所要時間の目安が4時間であったことを考えると、私たちはそこそこ早く移動はできたようだ。ただ、マチュピチュ遺跡の全景を見るために待っていた時間などもあるためトータルは4時間程であった。
残った時間でマチュピチュ遺跡を更に見て回る。私が感激したのはインカ橋だ。崖沿いの道にかけられた木造の橋で、敵が攻めてきた際には橋を落として敵の侵入を防ぐよう設計されたというものだ。旅行前にマチュピチュ遺跡を写真で予習していたが、実際に見ると迫力とスリルが全然違っていた。
私は写真にあるように立ち入り禁止の柵のところまで行ったが、同行者のYは高所恐怖症のため大分手前で私を待っていた。まだ道の脇がそんなに崖になっていないうちから及び腰だったYは、見ず知らずの外国人観光客の子供に「ワッ」と驚かされビビりまくっていた。かわいそうに。
下山
午後2時半頃
インカ橋を見物し、その後も時間の限りマチュピチュ遺跡を堪能した私たちは下山し麓の村まで戻ってきた。昨日食べたシャーベットの味が忘れられず、本日も訪問。爽やかな味のシャーベットをテラス席で頂いた。昨日到着した時点で既に暗くなっていたため、日中の明るい時間に見る街並みはまた印象が違って良い。宿泊したホテルも意外と綺麗な外装であった。
ペルーレイルに乗ってクスコへ
午後3時半頃
念願かなってインカ帝国の空中都市マチュピチュを堪能し、クスコへと帰る時刻が近づいてきた。駅前の土産物屋を見物しながら時間を潰していると、現地の少女がマッサージしないかと声をかけてきた。私はトラブルに巻き込まれるのを恐れて断ろうと「No」と言うのと同時に隣でYが「yes」と言っていた。さすが海外旅行上級者である。Yは何度も私を誘ったが、かたくなに断るので諦めて「みざわさん、すみません!ちょっと僕行ってきますわ!」といって路地裏へと消えていった。なにがすみませんなのか良く分からないが、列車の出発ぎりぎりになるまで帰って来ないYに対して(そしてへらへらして戻ってきたYに対して)ちょっとだけイラついたのはここだけの話である。
断っておくが勧誘にきたのは少女だが、大人の方に純粋にマッサージを施術してもらったのだそうだ。決していかがわしいことはしていないと本人は断言している(ので私も支持しておく)。
午後4時過ぎ
ぎりぎりで私達を乗せた列車はクスコへ向けて出発した。クスコまで列車で一本かと思いきや、列車で約2時間乗った後バスに乗り換えるという。線路が使えないのか理由は定かではない。
クスコ到着
午後9時前
約5時間かけて私達はマチュピチュ村からクスコに戻ってきた。行きのスタンドバイミーロード経てマチュピチュ村へ至る行程を考えると、やはり早い。早いし楽である。今回の往復では貧乏旅行の往路、セレブリティ(?)なペルーレイルでの復路とどっちも味わうことができて充実していたように思う。
クスコの駅近くにあったホテルでは一件目で2人分の空があったため即チェックイン。シンプルだが綺麗にベッドメイクされた室内。必要最小限のトイレ・バスルーム。温かいシャワーもでるし水圧も強いとは言えないが十分使えるレベルの当たり宿であった。
夕食はすぐ近くにあったスーパーでビールや軽食を購入。昼の感動を分かち合いながら酒を酌み交わした。地球の裏側でもまるちゃんは頑張っていた。
ペルー砂漠のオアシス・イカへ
次はナスカの地上絵を見るべく、ナスカ観光の拠点の街イカへと向かう。クスコからペルーの首都リマへと飛び、そこから長距離バスである。果たして無事イカへと辿り着けるのか!?
南米旅行回想記⑧~砂漠のオアシス「イカ」ローカルレストランに気を付けて?~に続きます!