※この記事は歯科学生、新人歯科医師、卒後数年経って勉強し直している歯科医師向けです※
目次
歯冠
- 隅角徴は近心が遠心よりも鋭い ☜ 切縁が水平でなく歯の長軸に対し傾斜しているため
- 切縁結節は3つ(中央部の結節が二分して4結節性のものもある)
- 中央の結節は高く鋭く、側方の2つの結節は幅が広く鈍円
- 切縁結節の咬耗による消失は通常上顎より下顎の方が早い ☜ 正常被蓋の場合下顎前歯は上顎前歯舌側で接触する
- 唇側面
- 3本の唇側面隆線 ☞ 3つの切縁隆線に続く
- 2本の唇側面溝
- 舌側面
- 舌面窩の形成
- 3本の舌側面隆線 ☞ 3つの切縁隆線から走る
- 2本の舌側面溝
- U字またはV字の辺縁隆線が歯頚部付近で基底結節として合わさる
引用:藤田恒太郎 「歯の解剖学 第22版」 金原出版
歯頚線
- 唇側と舌側では歯根側に凸弯
- 隣接面では歯冠側に凸弯
- 隣接面の歯頚線の描くV字は近心面の方が頂点が高く鋭い
- 下顎中切歯のみ歯頚線は近遠心でほぼ差がない
引用:藤田恒太郎 「歯の解剖学 第22版」 金原出版
歯根
- 1本
- 上顎は唇側が開いた卵型
- 下顎は近遠心的に圧平された楕円形
- 歯根近心面には中央部に著名な隆線を認める
引用:藤田恒太郎 「歯の解剖学 第22版」 金原出版
歯髄腔
- 歯髄腔の形は歯の外形の縮図
- 髄室と根管は移行的
- 萌出後まもなくは切縁結節に一致して歯髄腔も突出している → 咬耗に伴い第二象牙質で埋められる
- 根管は原則として単一
- 下顎切歯では2根管性(下顎中切歯で20%前後、下顎側切歯で5%前後)を認める