2022年1月末に我が家の愛猫はなちゃんの元気が突然無くなり、異常を感じて病院へ連れて行ってから早や1か月。長い入院生活を経て退院し、やっと落ち着いてきたのでこの怒涛の、しかし不安と心配でいっぱいだった1か月を振り返ってみます。妻と力を合わせて乗り越えた、涙あり笑いありの1か月でした。

 結局今回は3つの医療機関にお世話になりました。どの病院の先生・スタッフの方々にも親切にして頂き感謝でいっぱいです。この一連の記事を読んで、少しでも同じような病気・状態の方の助けになればと思っています。

 今回はペテモに入院して2日目。夜に面会に行くことの他、何かあったら電話がくることになっていました。良くないことで電話が来たらどうしようと思いつつ仕事をしていると、午後になって電話が来て…。はなちゃんに起きた小さな奇跡のお話です。

目次

一夜明けて

 1/27(木)7時頃。
 怒涛の病院はしごに帰宅後の虚無な時間とジェットコースターのような出来事から一夜明け、寂しい朝を過ごしつつ私たちは各々職場へ向かいました。

 何もしていない時間は、どんどん嫌な想像が湧いてしまいます。ポジティブな性格の私でもさすがにずっとポジティブではいられませんでした。仕事中も、ふとした空き時間に色々な事が頭をよぎっては必死でかき消し、敢えてやることを増やして気を紛らわせていました。

不在着信、早まる鼓動 

 ペテモからは「何かあったら連絡がくる」ことになっていましたが、ネガティブな思考に包まれていた私は「悪いことがあったら連絡がくる」に勝手に脳内変換していました。なので、午前中何も連絡が無かったことにホッとして昼休憩を取り、午後の仕事に取り掛かりました。

 15時半頃。
 小休憩の時に携帯を見ると、ペテモから不在着信が。どきどきと鼓動が早まるのが分かります。あわてて折り返しかけ直します。先生から聞いたことは、脳内変換していた通りの悪いお知らせもありましたが希望の光となるお知らせもありました。どんなことかというと…

  • はなちゃんは抗生剤を投与しているのに熱が上がってきている
  • 北大への転院が決まった(翌日、つまり1/28(金)の午前)のですが、(お仕事都合つけて)行けますか?

 正直、はなちゃんの状況は良くなってはいませんでした。寧ろ抗生剤を入れているのに熱が上がってきてしまっているようで、電話の向こうの先生(昨日とは違う先生)も少し困ったような声をしています。エコー検査のデータを見たのでしょう、尿管もそうですが子宮も残しておいて良いものでは無い旨のことも話していました。

奇跡のお知らせ

 ここまで悪いお知らせがありましたが、この後良いお知らせが待っていました。それは、北大への転院日が決まり、なんとそれが翌日だというのです。転院して即手術というわけではないようですが、これで一歩手術に近付くことができる、そう思うと少し希望が見えてきます。

 ここで、一つの大きな壁が立ちはだかります。あまりに近い日程過ぎて、私も妻も仕事の都合をつけられるのか、という壁です。しかしこのチャンスを逃すと次はいつ転院できるか分かりません。そう思うや否や、私は先方に「何とかします」と答えていました。はなちゃんの状況や転院についての詳細は夜の面会の時に改めて聞くこととして、電話を切りました。

 北大への転院は前回(はなちゃん闘病記②~緊急事態発覚編~)紹介した通り、いくつものステップを踏まねばならず、しかも通常は時間がかかることが多いと聞きました。電話ですぐに北大に転院できると知った私は「思ったより早くて良かった」くらいの感想でしたが、それは大間違いだったことを夜に知らされます。

 仕事の合間に携帯を見ると、ペテモから妻にも電話をしてくれていたようでした。妻は電話が来た後、はなちゃんの状態があまり良くなっていないことにショックを受けていたようです。見かねた職場の上司の方が、今日は帰りなさいと仰って下さったようでした。そして、翌日のお休みまで頂いたのです。妻の会社の方々には感謝しかありません。

 Lineの画面での懸念事項である転院については、翌日(1/28)の朝にペテモから北大へ私達が連れて行くということでした。

面会

 仕事を終え、残務処理を職場の同僚にお願いし一路ペテモを目指します。妻の職場もそうでしたが、私の職場も飼い猫=家族としての理解を示してくださりこの後も様々配慮して頂きました。本当に感謝です。

 19時半。
 ペテモで妻と合流し、受付を済ませます。ほどなくして呼ばれ、まず面会です。病室に通された私たちは1日ぶりにはなちゃんと再会です。前足から点滴のラインを取っているため、包帯を巻いています。包帯を巻くのは初めてのはなちゃん。違和感を感じていそうなそぶりを見せますが、すごく嫌がっているわけでもないようです。嫌がる元気が無いのかもしれません。

 ご飯はあまり食べていないようですが、ほかの子にあげるご飯に興味を示していたようなので、我が家にいた時の方が調子悪かったのかな?とも思わせます。別の時には看護師さんの手にすりすりしていたようで、思わぬ社交性を発揮していました。

 思えば我が家にいる時も、私の友人が来ても最初こそ離れたところから見ていますが、少し時間が経てば自分から近づいてきてふんふん匂いをかいだり体を触らせてあげる子でした。

 その後、先生から状況の説明を受けます。ちなみに昨日診てもらった先生がこの日も対応してくださいました。電話で教えてもらったことに加え、

  • 昨日あれだけ上限値を越えていた白血球の数値がガクッと下がっている(正常値範囲内ではあるが、数値の変動が激しい)
  • 腎数値は正常値ではないが、急性腎不全などの心配はなさそう
  • 感染源が尿路系と子宮が疑わしいのは変わりないが、他に原因があるのかもしれない
  • ごはんをあまり食べていない
  • おしっこはしているが、うんちはしていない

 白血球の数値が下がっていることなどから、細菌が一部血管内に入ってしまった可能性があるとのこと。無菌のはずの血管内に細菌が侵入してしまうことは、最悪敗血症となって命の危険もあります。
 はなちゃんは血圧など安定しているためそこまでではないようです。が、白血球の数値がガクッと下がったことは、血管内に入り込んだ細菌と白血球が戦い、どんどん消費されていってしまってる可能性が考えられるようです。

 他にも血液検査結果では基準値を逸脱する項目がありますが、それらも感染を示唆するものであるようです。

 そして、

  • 感染源かどうかに関わらず尿路系と子宮の手術は必要だろうということ
  • はなちゃんの全身状態が良くない上に尿路系の手術はかなりの難易度であること
  • それ以外の原因の可能性を探索する必要があること

を改めて説明されました。
 この状況を踏まえて北大に掛け合ったところ、明日の転院が実現したというのです。先生曰く「こんなに早く転院できるのはほとんど奇跡に近い」とのことでした。経験豊富な先生がここまで言うのだから、奇跡に近いというより、奇跡だったのでしょう。

 私は午後に受けた電話での認識を改めました。「思ったより早くて良かった」どころの話では無かったのです。そして、この奇跡がはなちゃんが我が家へと帰ってくるための大きな1歩となるのでした。北大に転院してからも山あり谷ありなのはまた後のお話…

転院へ

 ということで1日ぶりのはなちゃんとの束の間の再開(新型コロナウィルス感染症予防の点から時間制限あり)を楽しみ、翌朝迎えに来る旨を本人(本猫?)に伝え帰路についたのでした。でもこの時はまだ知りません。まさか転院当日に大きな動きがあるなんて…

はなちゃん闘病記④~転院・長い一日編~に続きます!

投稿者

hanamizawa

文系学部を卒業後、歯学部再受験し現在卒後数年経った歯科医師です 患者さんにより良い医療を届けるため日々勉強中 また、勉強していく中で日常生活にもアンテナを伸ばすと知らないことが溢れていることに気づいてしまいました。 猫好き、アウトドア好き、スポーツ好き、ドライブ好き、読書好き ゆるく生きています

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