※この記事は、私が南米を旅行した2015年2月末~3月頭当時の情報です。現在と異なる状況がありますのでご容赦下さい※
※また、残っている写真と記憶を頼りに書いているため細部は間違っていることもあるかと思います。併せてご容赦下さい※

☆この記事は「読み物」としてお楽しみください☆

今回は行きの道中についての記事です。いきなりのトラブルに見舞われ、まさに予定は未定の幕開けとなりました。目的地に辿り着くことはできるのか?南米旅行回想記旅立ち編ともいえる本記事をお楽しみください。

目次

荷造り 

 2015年雨水の頃。国家試験も終わり、待ちに待った南米旅行をあと数日に控えていた。9泊11日の長旅は人生初だ。私は長期の海外旅行、しかもバックパッカー的な旅行は一度もしたことがない。旅慣れていないため、準備段階であれこれと必要そうなものをリストアップすると、凡そ一人で背負ってはいけないほどの荷物の量となってしまった。これではいけないと取捨選択し、なんとか荷物をまとめたのであった。
 そこで、当時私が準備したものを思い出してみようと思う。

  • 45リットルのバックパック
  • 衣類
    • アウトドア用の帽子
    • レインコート
    • ウィンドブレーカー(上):ポケットは全てジッパー付き
    • ニットカーディガン
    • 長袖のTシャツ
    • 半袖のTシャツ
    • スウェット(下):成田空港で購入
    • パンツ
    • 靴下
    • トレッキングシューズ
    • 衣類圧縮袋
  • 電子機器
    • 携帯電話
    • 携帯電話の充電器
    • 変圧器
    • 腕時計
  • 衛生用品
    • シャンプー・リンス(トラベル用)
    • 洗顔(トラベル用)
    • 絆創膏
    • 爪切り
    • ジップロック
  • 貴重品
    • 日本円
    • アメリカドル
    • クレジットカード
    • パスポート
    • 旅行用財布
    • 貴重品用腹巻

旅立ち

 2015年2月23日、成田空港。待ち合わせの国際線カウンターでYと落ち合う。私はYの服装に驚いた。上下スウェットなのだ。まるで寝間着である。なんなら起きたままの姿で来たのではないかと疑ったくらいだ。私は飛行機にスウェットで乗った経験がなかった。遅刻常習犯のYの事だ。さしずめ遅刻しそうで服を整える余裕がなかったのだろう。
 しかしその考えは私の愚かな想像だった。
 「みざわさん、搭乗時間めっちゃ長いんだからそんな恰好してたら疲れますよ。着替えてきた方がいいすよ!」とYは言う。確かにその通りである。さすが旅行上級者。旅に出る前から経験の差を見せつけられた。しかし私はスウェットを持参していない。愚かなのは私だった。急遽UNIQLOへ走り、スウェットを購入。店員さんに「着ていきます!」と意味不明な宣言をして、スウェット搭乗客の仲間入りを果たした。

搭乗

 晴れて長時間のフライトに耐えうる服装を手に入れた私とYは搭乗手続きをすませ、保安検査場を通過する。南米最初の目的地はボリビア ウユニ塩湖だ。私たちのプランはボリビアのラパスまで空路で行き、ラパス~ウユニはバスで陸路を行く。したがって、成田からは以下の空港で乗り換えてラパスまで向かう。

  • 成田 ー ロスアンゼルス
  • ロスアンゼルス ー マイアミ
  • マイアミ ー ラパス

成田 ー ロスアンゼルス

 飛行機に搭乗する前から私たちのテンションは上がりっぱなしだ。これから訪れる未知の世界への期待に胸を膨らませる。機内での過ごし方も然り。映画やゲームで寝る暇なんてないのではないかと心配になる。機内食も楽しみの一つだ。
 実際に搭乗してみると、国内線と違い外国人の割合も多い。わくわくしながら指定された座席へ。私もYも荷物は大きなバックパック一つで、迅速な移動を目的に機内に持ち込む。頭上の荷物入れに半ば無理やり荷物を押し込み着席。17時頃、私たちを乗せた飛行機は離陸。遂に始まった。フライトの時間も楽しみつくそう!やる気に満ちていた。
 ・・・1時間後。私は飽きていた。良く考えれば特に映画が好きなわけでも、ゲームが上手い訳でもなかった。最初の数十分は好奇心で楽しんでいたが、段々手持無沙汰になり、気づいたら機内食を待っていた。隣のYはいつの間にか眠りについていた。

機内食

 待ちに待った機内食。内容はペンネとキッシュ、それにサラダとパン。旅の効果で美味しく頂いた。その後は数時間寝ては起きてを繰り返していた。旅番組で移動のシーンが僅か数秒で放送されるが、その裏には何時間もあり実は過酷なのだということを実感した。

ロスアンゼルス ー マイアミ

 現地時間2/23の11時頃、ロスアンゼルス到着。昨日までマジョリティだった私たち日本人は、たったの10時間程度であっという間にマイノリティに。

 乗り換えのためしばし空港内で過ごした後、マイアミ行きの飛行機に搭乗。この時には成田で飛行機に乗る前に覚えていた高揚感は既に消え失せ、旅慣れた旅行者の一人になった気分でいた。とんでもないトラブルに見舞われるとも知らずに...

最初のトラブル

 最初のトラブルは、まさかの2日目に起こる。日付的には初日である。
 搭乗して数時間経ってから気づいたが、なんと飛行機が全然飛ばないのである。飛ばないどころか、動きすらしない。旅慣れた旅行者を気取った私は、飛行機に搭乗するや否や眠りについた。しっかり眠り、そろそろか。と思い目を覚ます。数時間は寝たのに、窓外の景色は搭乗した時と同じなのである。
 夢かな?寝ぼけた私は再び眠りにつく。1時間ほどして、暑くて目を覚ます。まだ飛んでいない。地上にいて搭乗客満載だ。暑いわけだ。寝汗をかいていた。しかし私は呑気に構えていた。時刻表通りなんて日本だけって聞くし、こういうこともあるんだろうな。と。このタイムロスが、後にとんでもないトラブルを引き起こす。
 夕方、やっと飛行機は動き出し、マイアミへと飛び立った。

マイアミの悪夢

  飛び立ってからは順調だった。しかしマイアミに着陸し、ドアロックの解除を待つ間に衝撃の事実が発覚する。時計を見ると、なんと次のフライトの10分前なのである。ロスアンゼルスでのタイムロスの影響が、私たちに恐ろしい現実を突きつけてきた。

 マイアミ空港内に入り、近くにいた体の大きな男性黒人スタッフにラパス行きの飛行機の搭乗ゲートを聞くと、遥か彼方を指さした。「hey, run run run!」と励ましの笑顔で走れと促してくる。私とYは「Thank you!」もそこそこに猛ダッシュを始める。
 私は懸命に走ったが、徐々に先を行くYとの距離が開く。スウェットがずり落ちてきて走りにくく、この大事な時に足を引っ張る。何が旅慣れた旅行者だ。
 「Y!荷物は俺に任せろ、頼む!飛行機を引き留めてくれ!」
私はずり落ちるスウェットを抑えながら叫ぶ。
 「わかりました、みざわさん。荷物お願いします!」

 荷物を置くや否や、チャリンチャリンと小銭を落としながらトップスピードに乗るY。祈る思いで二人分の荷物を持ち、小走りで指定されたゲートへ行く。しかし、現実は残酷だった。フライト予定時刻よりぎりぎり前にYは着いたにも関わらず、搭乗は認められなかったのだ。肩を上下させ、息を切らしながらYは
 「みざわさん、すみません。ダメでした」
と言う。謝ることなんてない。あるとすれば走りながら何枚も小銭を落としたことか。45リットル×2の荷物を持ちながら、小走りに加え小銭拾いという屈伸運動の苦行は運動不足の私には過酷であった。

次のラパス行きはいつ?

 フライトを逃してしまったのはやむを得ない。それもこれもロスアンゼルスで飛行機が動かなかったのが原因だ。私たちはサービスカウンターを訪れ、次のラパス行きの飛行機の時刻を聞いた。
 「Tomorrow same time」
 わずかに聞き取れたこの3語で私とYは笑うしかなかった。つまり次の飛行機は24時間後。2人ともポジティブな性格なので、話題はすぐに「マイアミでどう24時間過ごすか」になった。ふとみると、私たちと同じ境遇の一人旅の若い日本人女性(Aさん)がいた。せっかくだからと次のフライトまで行動を共にすることにした。次のフライトまでは次のように行動した。

  • 夜間は危険なので空港内で食事や仮眠をとる
  • マイアミビーチが空港から近いので、行ってみる
  • ビーチの近くで、一泊分の料金を払ってでも部屋を確保しシャワーと仮眠をとる。

夜のマイアミ空港

 サービスカウンターでは、ロスアンゼルス発の飛行機の遅延は認めてもらうことができた。翌日のラパス行きのチケットと、空港内で使える3食分のバウチャーを発券してもらい、毛布を支給された。


 時刻は夜中の1時頃。とりあえず小腹が空いたのでファストフード店へ。すると、日本でもお馴染みのsubwayがあるではないか。3人で入店し、各々注文する。バウチャーで。やはりアメリカンサイズである。確かハーフで頼んだと思う。私にはハーフでも十分足りた。

 腹ごしらえをすまし、しばしおしゃべりタイム。Aさんはとても優秀で運動神経も抜群な女性のようだ。南米への一人卒業旅行はなかなかご家族の許可が下りず、説得に苦労した話などしながら過ごしていた。
 ふと、トイレに行きたくなった私は、近くのトイレに向かう。すると、トイレへの道すがら、男性が横たわっているではないか。どうやら横になっている、というよりは横たわっている、のほうがしっくりくる。赤い点も見える。近くに警察官もいる。恐るべし、アメリカ。極力単独行動は控えようと心に誓った出来事であった。

マイアミビーチのホテル

 空港内で朝を迎える。上述のようなことがあっただけに、バックパックを離すことなく貴重品をお腹に抱え、毛布をかぶって仮眠をとった。ベンチの上というのもあり、良くは眠れなかった。
 他の2人も起きたようだ。旅行上級者のYはぐっすり眠れたようで、妙にすっきりした顔をしている。対照的にAさんはあまり眠れなかったようだ。

 なにはともあれ、陽が昇り行動可能な時間になった。バスに45分ほど揺られるとビーチ周辺のバス停に到着。これがかの有名なマイアミか。ただの道路なのに南国を感じさせ、おしゃれに感じる。

 ネットで予約したホテルに到着。正規料金を支払い、夜のフライトを待つ間の一時滞在で宿泊しない旨を伝える。拙い英語で少し早くチェックインさせてくれと交渉すると、まさかのOK。久しぶりのベッドのある空間へ。フロントもそうだが、少し尖った?感じの内装だ。どういうコンセプトかよく分からないが、嫌いではない。

魅惑のマイアミビーチ

 ベッドに横になったらすぐにでも眠れるが、せっかくなのでビーチへGO。
 これは、、、素晴らしい。まさに白い砂浜、青い海、照り付ける太陽。絵に描いたような理想的な海の風景である。コンビニで買ってきたコロナビールで乾杯し、ゆったりとビーチを歩く。老若男女が穏やかにリラックスしている。トラブルがなければ訪れることの無かったビーチだが、今となってはトラブルのおかげでこの素晴らしい風景を見ることができた。
 「みざわさん、旅はこういうことがあるからやめられないんですよ」とYが言う。景色も素晴らしいが、トラブルも楽しめるYのメンタリティも素晴らしい。彼とは楽しい旅を過ごせそうだ。

 ひとしきりビーチを楽しんだ後、ホテルに戻りシャワーを浴びる。飛行機でかいた寝汗を流すことができてすっきりし、夜まで仮眠をとる。前夜と大違いの寝心地だ。
 

ラパスへ

 迎えた夜、ホテルをチェックアウトしバスでマイアミ空港へ。今度は間違いなく搭乗できそうだ。いざ、天空都市ラパスへ。

南米旅行回想記③~ボリビア到着編~に続きます!

前回記事

投稿者

hanamizawa

文系学部を卒業後、歯学部再受験し現在卒後数年経った歯科医師です 患者さんにより良い医療を届けるため日々勉強中 また、勉強していく中で日常生活にもアンテナを伸ばすと知らないことが溢れていることに気づいてしまいました。 猫好き、アウトドア好き、スポーツ好き、ドライブ好き、読書好き ゆるく生きています

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