※今回の記事ははなちゃんの「おしっこ」に関する記事です。お食事中の方やこういった内容を不快に思われる方はご遠慮ください。
2022年10月31日。仕事から帰宅した私は、いつものように愛猫はなちゃんと戯れた後、居間でくつろいでいました。ふとはなちゃんの様子を見るとなんだかいつもと様子が違います
年明けに大病で入院しているはなちゃん。最近は元気に過ごしていましたが急な体調の変化かと不安が襲います。私よりも遅く帰宅した妻と一緒にはなちゃんの様子を見て救急病院へ行くと決めて…
愛猫がおしっこが出ない時にどう動けばよいか私なりに調べてみましたので、少しでも同じ状況で困っている方の助けになればと思います。
この記事を読んでわかること
- 猫ちゃんがおしっこが出ない時に考えること
- 猫ちゃんがおしっこが出ない時に取るべき行動
- ペテモとうぶつ病院札幌月寒についての概略
※あくまでも動物医療に関して素人の意見です。この記事は参考程度にとどめ、自己責任でご判断下さい。
こんな方におススメ
- 猫ちゃんがおしっこしたそうにしてるのにできないのを見て困っている人
- 札幌でかかりつけの病院が閉まってるのに猫ちゃんの体調が悪くなって困っている人
- 猫ちゃんがおしっこした後に赤いミカンの粒みたいな不思議な物体を落としているのを目の当たりにした人
目次
おしっこが出ない!
10月31日20時30分
職場から帰宅し居間でくつろいでいたところ、ふと見たはなちゃんの様子がおかしいことに気づきました。トイレの前でうろうろ。トイレに入っておしっこする態勢になるのですが、ほぼ出ない。しばらくしてまたトイレに行くのですがやっぱりおしっこは出ない…。
妻が帰ってきてからもやっぱり同じような行動をします。走ったりご飯をおねだりしてくるので、元気が無いわけではなさそうです。でもご飯を管理している妻によると、この日は前日よりも食が進んでいないとのこと。あの日の嫌な記憶が蘇ります。年明けにはなちゃんが体調を悪くした時です。
「あの日の嫌な記憶」についてはこちらをご覧ください
→はなちゃん闘病記①~それは突然に~
現時点でその時ほど深刻ではなさそうですが、これからグンと体調が悪くなるのかもしれません。一気に私達2人の表情が曇ります。
そういえばここ数日、1日に1回くらいトイレでない場所でおしっこをしてしまう(粗相)日が続いていました。それも関係あるのでしょうか。
おしっこが出ないとはつまり?
そもそもおしっこが出ないというのはどういう状況なのでしょうか。この時2つの事を考えました(今回は「おしっこが作られない」という条件は除外します)。
- どこかが詰まってしまっておしっこが出せない(尿道閉塞)
- おしっこが無いのに尿意を催している(詰まっているわけではない)
このうち緊急性が高いのは前者です。なぜなら、体外へ排出すべき尿が出せないという事は、やがて急性腎不全へと移行し容易に死に至らしめるからです。
一方、おしっこが無いのに尿意を催しているのは膀胱炎が挙げられます。膀胱に炎症が起こると、おしっこが出きって膀胱がほぼ空になっていても所謂「残尿感」で何度もトイレに行くようです。但し、こちらも放置すると尿道閉塞を起こす可能性があり、その場合は急性腎不全へと移行する危険性があります。
ちなみにはなちゃんがトイレに行った後、トイレの近くの床の上に「赤いミカンの粒みたいな不思議な物体」が何回か落ちていました。赤いのはどうやら血のようですが、ティッシュでとっても紙が真っ赤になるほどではありません。
救急病院受診
様子を見るか?救急病院を受診するか?妻と一緒にはなちゃんの様子を見て、すぐに意見は一致しました。言葉で症状を話せないはなちゃん。私達夫婦は共働きなので、仕事で外出中に状態が急に悪化したら対処しようがありません。私達から見て変だと思ったら連れて行ってあげるのが一番だと思うからです。それで、結果大したことが無ければ一番良いですよね。
ということで急遽、いつもお世話になっている「ペテモどうぶつ医療センター札幌月寒」に電話し症状等伝えた後受診することとなりました。電話口で「今の時間帯は救急料金で+25%になりますがよろしでしょうか?」と確認をしてくれましたが、命はお金に代えられません。私達(主に私)の食費を削ってでも捻出します。
ペテモどうぶつ医療センター札幌月寒について
ペテモどうぶつ医療センター札幌月寒は、札幌市豊平区月寒のBRUNCHというショッピングモールの中にある動物病院です。2020年3月に開院した新しく、きれいな病院で複数の診療科があり設備も充実しています。そのため、町のかかりつけ医からの紹介先や救急病院としての役割も担っています。年中無休で通常の診療時間の他に救急診療も行っています。
私も、はなちゃんが体調を悪くしたときにかかりつけ医から教えてもらってペテモのことを知りました。あの時は急でしたが診てもらえて本当に助かりました。設備が整っていることの他に、先生やスタッフの方が丁寧で親切なことも大きなポイントです。
「あの時」のことについて詳しくはこちらをご覧ください。
→はなちゃん闘病記②~緊急事態発覚編~
ペテモとうぶつ医療センター札幌月寒の診療時間については以下の通りです。
- 年中無休
- 通常診療(10:00~13:00/16:00~20:00)※予約制・最終受付は診療終了時間30分前まで
- 救急診療(5:00~9:00/21:00~24:00)※要事前電話連絡
アクセスは車が便利です。地図からも見て取れるように、地下鉄東西線「南郷13丁目駅」と地下鉄東豊線「福住駅」が一応最寄りですが、どちらも徒歩で10~15分かかります。とくに緊急の場合は愛犬・愛猫を運びながらこの距離を徒歩移動するのは大変です。それならタクシーで行った方が人にも愛犬・愛猫にも良いでしょう。
こちらの他にも日曜・祝日診療していたり、夜間診療している病院もあります。詳しくは「札幌夜間動物病院」さんのHPをご覧ください。
話を戻しまして…。そんなわけで私達は車でペテモへ向かいました。
車嫌いのはなちゃんは基本車内のキャリーケースの中ではあまりリラックスはしないのですが、この日は何故だか香箱座りをしてリラックスしていました🐱
22時頃
ペテモに到着し、診察を待ちます。この時間は救急で待っている患者は私達しかおらず、15分後くらいにもう一組来院していました。
10分程して診察室に呼ばれ、診てもらいます。今回は女医さんが診てくれましたが「はなちゃん、久しぶり」と言ってくれました。私達飼い主はお会いしたことは無かったのですが、年明けに緊急入院した時、入院中に診てくれていた先生の様です。
症状・はなちゃんのここ数日の様子を伝え、先生による触診を受けます。どうやら膀胱におしっこが溜まってパンパンという状況ではなさそうです。発熱もありません。8月末に受けた定期検診でもおしっこが詰まる予兆はありませんでしたので、診察の時点で恐らく尿道閉塞では無いのではないか、という見立てでした。
ただ、しっかりした判断は超音波エコー検査が必要とのことで、診察の後に超音波エコー検査と念のため血液検査もしてもらいました。治療の必要性についての説明は必ずしてくれますが、料金(通常料金に加え救急対応で25%増し)のことについての確認も必ず取ってから検査にかかってくれます。動物医療は全て自費なので大変ですね。
診断
22時45分頃
1時間程待って、検査結果と診断の説明に呼ばれました。この時は診察室にまだはなちゃんはいません。先生からの説明は、
- 尿道などおしっこの通り道は詰まっていない
- 膀胱の中にはおしっこはほとんど溜まっていない
- 膀胱の粘膜は少し腫れている
- (膀胱にほぼおしっこが溜まっていないので)尿を採取するのは困難
- (尿採取ができないので)尿細菌検査は今は難しい
- 血液検査の結果はほぼ正常
- 元気食欲が著しく低下するような血液検査所見は無い
ということでした。とりあえずおしっこが詰まっているわけではないので安心しました。膀胱の粘膜が少し腫れているので、総合的に判断して今回の症状の原因は膀胱炎という診断になりました。ただ、尿からおしっこを採取できないので細菌培養ができず、膀胱炎の原因が細菌性か特発性(特定の原因は無く、ストレスなどが原因とされる)かは分からないとのことでした。そうは言っても発熱も無いし元気食欲も著しく低下しているわけではないので抗生剤を投与するほどの状態ではないという判断でした。
抗生剤は最後の切り札として取っておきたいということです。はなちゃんの尿は無症候性細菌尿で、その細菌に効果のある抗生剤は限られており不用意に投与して耐性を獲得されると、もしもの時に打つ手なしとなってしまうからです。
はなちゃんの無症候性細菌尿についての経緯はこちらをご覧ください。
→はなちゃん闘病記⑥~大手術克服・熱は下がるのか!?編~
ということで、今回は粘膜の炎症に対して止血剤(トランサミン:炎症を抑える作用もある)を投与し経過をみましょうということになりました。また、おしっこをたくさん出してあげるために皮下点滴をして水分補給をしてあげることになりました。あとはなるべくストレスをかけないようにしてあげてくださいとのことで、帰宅したらまずトイレを掃除して改めてきれいな状態にしてあげることを心に決めました。
数日経過を見て、頻回にトイレに行く・おしっこの態勢をとるのに出ない、などの症状が改善されれば追加の診察は無しで良いことになりました。
但し一つだけ注意事項が。腫れた膀胱の粘膜が新陳代謝によって剥がれて新しい健康な粘膜に変わっていくのですが、剥がれた粘膜が稀に尿道に詰まってしまうことがあるそうです。その場合は処置後数日してからおしっこが出ないという症状が現れるとのことです。その場合は改めての受診をするようにとのことでした。
ちなみに「赤いミカンの粒みたいな不思議な物体」については私達の説明が下手過ぎて先生にうまく伝わりませんでした。後からネットで調べてみると、恐らく血餅だったのでは無いかと思います。写真を撮って先生に見せたら分かったかもしれません。
こちらのブログを参考にさせて頂きました。血餅について分かり易く解説してくれています。
→ネコとグリーンとテヅクリのサイト 【 キ メ ブ ホ. 】
「猫の尿に血の塊 【血餅】 ※画像付き(閲覧注意)」の記事です。
下の画像ははなちゃんの「赤いミカンの粒みたいな不思議な物体」です。クリックするとモザイクが外れます。閲覧注意ですので、苦手な方はご遠慮ください。
【キメブホ.】さんの記事の画像と良く似ていますね。はなちゃんも「痛いにゃ」と言っていたのでしょうか。
帰宅・その後の経過
23時頃
皮下点滴を終えたはなちゃんが帰ってきました。看護師さんからの説明で、ラクダのコブみたいなものが背中に触れるかもしれないけれど、皮下に溜まった水分だから心配しなくて大丈夫ですとのこと。今回はあまり気になることは有りませんでしたが、場合によっては水分が移動して手足がむくんだようになることもあるそうです。これもやがて体に吸収されるので心配はないとのことでした。
24時過ぎ
まだ夕飯も食べていませんでしたが、帰宅してすぐに2つあるうちの1つのトイレ(より前回洗ってから日が経っている方)を洗い、なるべく気持ち良い環境を整えるように努力しました。ここ数日粗相していたのも「トイレが汚いにゃ!」というストレスからだったのかもしれません。はなちゃんごめん(m´・ω・`)m ゴメン…
この日は遅いご飯を食べて、はなちゃんにお薬を飲ませて就寝。
11月1日7時頃
朝起きると、トイレでは無く粗相していたスポットに血尿が。トイレにもおしこは有ったのですが…。とりあえずおしっこを出したいのに出せないという事態は収まったようで安心しました。
19時30分頃
仕事から帰宅すると、粗相もなくご飯も割と食べています。はなちゃんの様子もいつも通りで具合が悪そうという感じではありません。
トイレを覗いてみると、やや小さめではありますがちゃんとおしっこ玉があります。どうやら経過は順調の様です。ほっと一安心。ちなみに掃除した方のトイレを好んで使っている印象を受けます。やっぱりトイレが汚いというストレスだったのか…(´;ω;`)ウッ…
妻が帰宅してから二人がかりでまたお薬を飲ませます。ちなみにこのお薬は、溶けにくく、溶けてもあまりまずくは無さそうな点が良かったです。お薬をすんなり飲んでくれない時は舌の上で留まってしまいます。酔い止めなど溶けやすくまずいお薬だと涎の量が半端なく出てきますし一度失敗するとそのお薬をまた投与するのは絶望的です。
まとめ
はなちゃんが「おしっこがしたいのに出ない」状態を見て、すぐに救急病院を受診して正解でした。異常事態のはなちゃんの状態が分からないまま様子見をするのはリスキーだということを再認識しました。今回学んだことは
- 猫ちゃんの「おしっこが出ない」はなるべく早くの受診を!命に関わるかもしれません
- 普段しない粗相をするのは何かのサイン
- 猫ちゃんのトイレは常に清潔に
- 札幌でかかりつけが休診で困っている場合、ペテモは一つの選択肢
現在は大きな症状も無く大好きなおもちゃを追いかけまわして遊ぶくらい元気です!もし、皆さんの愛猫に「おしっこが出ない」という異変が起きたらすぐにかかりつけ医か地域の救急病院にご相談下さい。いつまでも元気で愛猫と暮らしていきましょう♪