2022年1月末に我が家の愛猫はなちゃんの元気が突然無くなり、異常を感じて病院へ連れて行ってから早や9か月。長い入院生活を経て退院し、今では元気に走り回っています。それでも今でも鮮明に思い出す怒涛の、そして不安と心配でいっぱいだった1か月を振り返ってみます。妻と力を合わせて乗り越えた、涙あり笑いありの1か月でした。

 退院後1ヶ月の診察を受けて、遂にはなちゃんから出ていた最後の管(腸瘻チューブ)を抜いてもらうことができました。更に回復も順調とのことで今後はSUB洗浄を兼ねた3か月ごとの検診に移行することになりました。

 今回は完結編です。はなちゃんと暮らし始めた時はまさかこのような事態が起こるとは想像もしていませんでしたが、なんとか力を合わせて乗り越えることができました。入院前と比べてはるかに元気になったはなちゃんの姿を是非ご覧ください。

目次

退院後1か月検診

 3月15日(火)
 北大から電話が鳴ります。はなちゃんが入院中の北大からの電話は緊張感が走りましたが、 はなちゃんが家にいる今となっては「はてはて?」といった感じです。 はなちゃんへの投薬は続いており、2人がかりだった作業が各々1人でもできるようになりました

投薬前のはなちゃん
投薬前

 体力は回復しており順調な印象です。

ハンモックから顔を出している愛猫はなちゃん

予約変更

 予約の変更についての電話でした。 前回の細菌検査結果についての電話で退院後1ヶ月検診の予約を3月18日(金)にしていました。 ところが担当医の先生が学会参加する関係で予約を変更できないかの打診でした。 翌週に急な休みを取らなければならなくなってしまいました。妻と連絡を取り、 なんとか3月23日(水)14時に行けるようにしました。

診察当日

 3月23日(水)14時
 妻が診察に行ってくれました。 先生と相談し、血液検査、尿検査、SUB洗浄、チューブ抜去を行うようです。 はなちゃんの検査のためしばしの待ち時間です。

 会話形式のラインが面白いですね…。

診察結果

 16時
 診察が終わったようです。今回の結果は以下の通りでした。

  • 血液検査の腎臓の数値は基準範囲内
  • SUBのつまりも無し
  • 尿中にはやはり細菌はいる
  • 次回のSUB洗浄は2か月後くらい
  • その後のSUB洗浄は3か月間隔くらいが良いのでは(その子によって間隔は変わる)
  • 間隔を決める要素はSUBが詰まり気味かどうかが基準となる
  • はなちゃんのSUBに現在詰まりは無いが、チェックという意味では3か月間隔かな
  • SUB洗浄はペテモで問題ない。年1回は北大とかそういうのも特にない
  • 洗浄液は生理食塩水の製品と結石溶解(EDTA)成分入りの製品(輸入物)がある
  • ペテモはどっちかな?今日は輸入物で洗浄 (ペテモも輸入物で洗浄してくれました!)
  • SUBのチェックは詰まりのチェック(ポート刺したシリンジが抵抗なく引けるか)とこの時に採取した尿で尿検査
  • この操作は基本超音波エコーで行う(検査のたびに部分的に毛が無くなります…泣)
  • そろそろ還暦(!)なので半年か1年に一回は全身臓器のチェックをしたら良いんじゃないかな
  • 検温はもうしなくて大丈夫
  • コバルジンは飲んでも大丈夫
  • 尿量は確かに多いが、血液検査上は正常なので様子見
  • 血液検査に出てないが、なんらかの腎臓の影響があるというのも否定できないので今後の検診での経過観察が必要
  • 水を飲まないのが一番良くないので、はなちゃんが勝手に飲む分には飲ませてあげた方が良い

という事でした。

 少し補足すると…
コバルジンというのはかかりつけの動物病院の先生に紹介してもらいました。消化管で分泌・生産される尿毒症毒素を吸着する作用がある黒い粉末です。これまで腎臓ケア用のフードをあげていましたが、今回の件を期に尿石症用のフードに変更になったため、コバルジンで腎臓ケアを補う目的です。

また、尿量に関しては退院直後の量(推定90~100ml)から段々増えていき、受診前数日は推定130mlとなっていました。尿量が増えている=腎臓の不具合?と心配していたのです。結果的には検査の数値上問題ありませんでした。先生の話によると

  • 尿石症用のウェットフードを食べてる猫ちゃんは尿量が多くなる傾向にある
  • しっかりとおしっこを溜めて出すことができている

という事です。今のはなちゃんにとってはこれが普通で、所謂個性と捉えるしかないのでしょう。

はなちゃんの体調管理について

 退院してから3月23日までの凡そ1ヶ月間、はなちゃんの小さな異変も漏らさず察知すべく妻と協力して体調管理をしてきました。
 我が家ではどんな体調管理をしていたかというと

  • 尿量測定
  • 便の状態チェック
  • 体温測定
  • 食事量管理
  • 抗生剤投与(処方分が終わるまで)
  • 外見のチェック

です。
 体温測定と抗生剤投与以外は現在もはなちゃんの体調管理の一環で続けています。

尿量の測定・便の状態チェック

 我が家では尿の回数と量をチェックしています。尿量の計測は次のような方法で行っています。
 50mlの水を猫砂に吸わせてできた砂の重さを計り、その重さから尿量を推定します。 使用しているの猫砂では50mlの水を吸わせると150gの重さになりますので、3g/mlとなります。つまり、おしっこ玉の重さを3で割った値が大体のおしっこの量という事になります。おしっこは1日に大体3~4回のようです。我が家で使っている猫砂はこちらです

  便の状態に関しては、回数・硬さをチェックしました。抗生剤の影響でゆるくなってしまっていた時期がありましたが、投薬を終えると硬さは戻っていきました。うんちは1日に大体1~2回でした。

体温測定

 体温は毎朝測定していました。耳で測る体温計が早くて楽そうだったのですが非常に高価だったので、直腸温計を購入して測定しました。2人がかりなら直腸温計でも測定できました! 我が家で使用している体温計(直腸温計)はこちらです。計測部が柔らかいので突然動いても折れる心配が少なく安心です。

食事量管理

 食事に関しては、尿石症の猫ちゃん用の療法食をあげました。今まではウェットフードはあげていませんでしたが、担当医の先生の提案を受けて、ドライフードに加えてウェットフードも導入しました。

 腎臓への負荷を減らす・尿石症を予防する目的で水分摂取量を多くしたいはなちゃん。ウェットフードはドライフードに比べて摂取できる水分量が飛躍的に多くなります。本当はウェットフードに一本化したいくらいなのですが…。我が家は共働きなので鮮度の点からウェットフードを長時間出しっぱなしにするのは良くないと考えています。朝晩はウェットフードをあげますが、私達が家に不在の時はドライフードあげているのです。

  ドライフードに関しては、コスパや買いに行く手間を考えて2kgの物を購入したのですが、落とし穴がありました。開封して時間が経つと風味が落ちるのか、はなちゃんの食いつきが悪くなってしまうのです。もりもりご飯を食べて欲しいので、大量に余ったフードは泣く泣く捨てることになりました。その件の後は、500gの物に変更しました。はなちゃんに提供しているご飯はこちらです (これらの商品は獣医師の指導の下、猫ちゃんに提供すべきものです。必ず担当医の指示に従って購入・提供してください)。

抗生剤投与

 抗生剤投与は腸瘻チューブから投与していました。一回分のお薬を水(2ml)に溶いてシリンジに取り、チューブを介して注入していました。薬を注入した後は、チューブの詰まり予防の目的で水3mlを追加でチューブに注入しました。
 この投与方法は私達が医療従事者だからということで担当医の先生から提案してもらった方法です。もしかしたら結構イレギュラーな投与方法かもしれません。

愛猫はなちゃんに抗生剤を投与する様子

外見のチェック

 はなちゃんはストレスを感じると過剰グルーミングでハゲてしまう傾向にあります。服を着させていても油断は禁物です。ストレスは病後の回復にも影響を与えるので、なるべくストレスフリーでいてもらって、もりもりご飯を食べて痩せた体をリカバリーしてもらう必要があります。という事で、剥げてないか、肉付きが良くなってきたかをチェックしていました。
 ちなみにはなちゃんが着ている服はこちらです。この商品は動物病院と共同開発しており、フィットして脱げにくいというのがセールスポイントです。見た目が可愛いのと、サイズバリエーションが多いのも魅力です。昔ハゲた時に着せていたので1着持っていましたが、今回の件で長期着用となるためもう1枚新調しました!

その後のはなちゃんの経過

 その後は体調を崩すことなく元気なはなちゃんでいてくれています。
 体重も増加傾向にあり、なんと3キロに達しました。入院時は2.3キロくらいしか無かったので、大きな違いです。太り気味ではないか心配になるくらいです。

 5月末と8月末にペテモでSUB洗浄を兼ねた検診を受けましたが、大きな問題無く過ごしています。 今回の入院の件があるので、ご飯食べる量がいつもより少なかったりテンション低そうにしているなど普段とちょっと様子が違うととても心配になってしまいます。ですが今のところそういった心配は杞憂の様で、毎日元気にご飯を催促してきたり一人運動会したりしています。

 こうして平穏な毎日を取り戻した私達。今後もはなちゃんと妻と私、家族3人で仲良く愉快に暮らしていきます!

 はなちゃんの日常を「今週のはなちゃん」でお届けしていますので、是非見てくださいね☺

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2022年10月第5週(10/24-10/30)

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投稿者

hanamizawa

文系学部を卒業後、歯学部再受験し現在卒後数年経った歯科医師です 患者さんにより良い医療を届けるため日々勉強中 また、勉強していく中で日常生活にもアンテナを伸ばすと知らないことが溢れていることに気づいてしまいました。 猫好き、アウトドア好き、スポーツ好き、ドライブ好き、読書好き ゆるく生きています

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